患者さんの生涯にわたったお手伝いをする「ひらくクリニック 吉田啓院長」

2018/11/13
インタビュー

仙川駅から徒歩12分、世田谷区の閑静な住宅街にある「ひらくクリニック」は、腎臓病や糖尿病の治療、透析まで行う病院だ。

このクリニックの院長である吉田啓先生は腎臓のスペシャリストであり、慢性腎臓病の悪化を防ぐだけでなく、自ら透析まで行っているため、患者からは一貫して診てもらえると評判である。

今回は吉田先生に医師を目指したきっかけや理想像など、掘り下げた質問にご回答いただいたので余すことなく紹介していく。

医療と吉田先生の出会い

Q1,医師を目指すようになったきっかけについてお聞かせください。

小学校のときからサッカーに熱中しておりましたが、高校1年生の時にサッカーの練習中に右足の腓骨という骨を骨折しました。その時に整形外科に入院して手術を受けたわけですが、歩くことさえ出来ないもどかしさを手術で解決してくれた医師がとても頼もしく見え、医師という仕事に憧れをもつようになりました。

また、手術して2ヶ月ほどしてギプスを外したときに使っていなかった右足の筋肉がげっそり痩せていたこと、使っていなかった右足関節がカチカチに硬くなって動かなかったことをよく覚えています。使わないと体は退化することを身をもって体験することができ、医学に対する興味が湧いたことを覚えています。

Q2,腎臓内科という医療分野に興味を持った理由についてお聞かせください。

ヒトはエネルギーを得るために食事をしますが、食物からエネルギーをとりだしたあとには体内に老廃物が残ります。老廃物を処理しているのが肝臓や腎臓で、老廃物は便や尿となり体外に排泄されます。

肝臓も腎臓も沈黙の臓器と言われ、症状が出にくい臓器ですが、症状が出たときにはかなり末期の状態で、最後の最後には他人からの臓器移植が必要になるのですが、腎臓の場合、臓器移植をしなくても透析を行うことで、臓器の代わりをすることが出来ます。

腎臓の代わりをしてくれる治療(透析)が確立されていたことで腎臓内科医が活躍できる守備範囲が広かったことが腎臓内科医を志した理由のひとつです。

患者さんの心理に寄り添った治療の選択


Q3,腎臓内科医になって実際に患者様と向き合ってみて初めて気づいたことがあればお聞かせください。

透析になると生活の質が失われることを痛感しました。本来、腎臓は365日24時間体内の老廃物を排泄し続ける臓器なので、腎臓の機能が廃絶すると生涯、透析を継続しなくてはなりません。血液透析の場合、週3回1日4時間の治療を余儀なくされます。ベッドに寝ている時間が4時間ですので、透析クリニックへの通院時間を片道1時間とすると半日は確実に拘束されることになります。

1日おきに病院へ行くことの拘束感を少しでも軽減するために当院ではベッド毎のテレビやFree Wifiを完備しています。これにより透析治療中も快適にお過ごし頂きたいと考えております。

Q4,吉田先生はこれまでどのような医師を目標に歩んで来られましたか?その過程での意識の変化についても教えてください。

医療はサービス業と認識しています。医師は治療方針をいくつか提示しそれぞれのメリット、デメリットを説明し、最終的に患者さんに決定して頂きます。患者さんのニーズがどこにあるのか考え、その患者さんにとってベストと考えられる治療を提案できるかが医師の力量と考えています。

医師の治療方針を押しつけるだけでは治療はうまくいきません。患者さんはまず自らの病気を受け入れるのに時間が必要です。なぜ自分に限ってこのような病気になってしまったのか、受け入れ難い現実であるほど受容するのに時間を要します。受容したのちに初めて病気を克服するために必要な治療について説明します。

治療を成功させるためには患者さんの協力が不可欠です。患者さんがどのような心理状態にあるかを推し量ることが医師に求められていると感じています。

透析にならないように管理する

Q5,腎臓内科領域の医療の課題は何であるとお考えですか?また、その中でどのような腎臓内科医の存在が必要ですか?

腎臓内科領域の課題は透析にならないように腎臓病を管理することだと思います。腎臓は一度悪くなると再び良くなることのない(再生しない)臓器ですので、腎臓を悪くならないように治療することが腎臓内科医の役割だと考えます。

腎臓は血液から尿をつくる臓器ですので毛細血管が集まってできた臓器です。血管が年齢とともに硬くなることはよく知られていますが、毛細血管の集まりである腎臓も年齢とともに機能が低下してきます。機能低下のスピードを加速させるのが高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、高尿酸血症などの生活習慣病です。

慢性的に腎機能が低下していく病気を慢性腎臓病と呼びますが、最近では慢性腎臓病の割合が成人の8人に1人まで増えてきています。このような慢性腎臓病の方を透析にならないように管理するのが腎臓内科医の役割と考えています。

Q6,今後、腎臓内科医療はどのような展開を迎えていくとお考えですか?また、そうした中で腎臓内科医が医師として活躍していくために必要なことは何だと思いますか?

最初に腎臓病が見つかるきっかけは健康診断が圧倒的に多いです。健康診断の尿検査で蛋白尿や血尿が見つかる、採血のクレアチニン値が正常値を超える、血圧が高い、血糖値が高い、脂質が高い、尿酸値が高いことをきっかけに腎臓内科を受診されます。慢性腎臓病を送気に発見するためにも健康診断は毎年必ず受診して頂きたいと考えています。

腎臓内科医の役割は慢性腎臓病の患者さんを透析にならないように管理することですが、不幸にも透析になってしまうケースでも透析、腎移植まで責任もって拝見するのが腎臓内科医の役割と考えています。患者さんにとっては病状が悪化しても同じ医師が継続して診てくれることは安心感があると思います。

私は腎臓内科医ではありますが、透析にかかわる手術も行っておりますので、透析になっても他の医療施設にお願いすることなく、患者さんの生涯にわたってお手伝いができると自負しております。

クレームから学び、チャンスにする

Q7,医師として喜びや、やり甲斐を感じた瞬間はどんな時ですか?

医師として患者さんのお役に立てることは大変嬉しいことです。医師の役割は病気を治すことはもちろんですが、透析など生涯継続する治療では病気と闘う患者さんに寄り添うことが最も重要な役割と感じています。患者さんから感謝の言葉を頂けるときが医師として喜びや、やり甲斐を感じる瞬間ですが、最も嬉しかったのは「先生に看取ってほしい」とおっしゃって頂けたことです。

Q8,医師としてお仕事をされている中で、心に留めていらっしゃる言葉があればお聞かせください。また、それはなぜかについてもお聞かせいただけると幸いです。

クレームは期待の裏返しという言葉がありますが、クレームには改善すべき点が隠されていると考えています。クレームを頂くことはもちろん嬉しいことではありませんが、不満を的確に捉えて満足させる対応ができれば、その患者さんから信頼を回復するチャンスでもあると捉えるようにしています。

Q9,今後医師としてどう歩んで行きたいとお考えですか?

患者さんの治療も当然ですが、病気の予防も大切と考えており、区民の方への啓蒙という観点から区民公開講座での講演なども積極的に行っていきたいです。

Q10,医師として大切なことはなんだとお考えですか?

患者さんに最良の提案をするには、最新の医学情報につき勉強しておく必要があります。医学に限らず生涯勉強し続けることが大切と考えています。

医療 × インターネットについて

Q11,インターネット上には今も間違った医学的な情報が飛び交っていますが、吉田先生は医療メディアの現状についてどのようなご意見をお持ちですか?

患者さんにとって情報の選択が困難な現状になってきていると感じています。患者さんの病状に応じて優先順位を整理してお伝えするのが医師の役目と考えています。

Q12,モノの.storeは、症状や病気で悩んでいるユーザーに対して、市販薬の正しい選び方を提供することで見た人の生活を豊かにすることをビジョンとしております。モノの.storeをご覧頂いた感想や思った点を教えてください。

正しい情報を整理してユーザーに分かりやすく伝えることが期待されていると思います。市販薬は同効果の薬が成分を変えて数多く出ていますので、モノの.storeでは製品の違いが説明されている点が優れていると思います。ランキングの根拠が示されると、なお良いと思います。

ひらくクリニックの魅力とは?

Q13,吉田先生の病院のアピールポイントは何ですか?

患者さんに分かりやすい言葉で説明し、最適な治療を提供することが当院のモットーです。当院で出来ない治療はしかるべき施設を紹介し、地域の患者さまの医療への入口(かかりつけ医)の役割を果たしていきたいと考えています。

当院の最大のアピールポイントは、腎臓病に関することなら初期段階から透析までの治療を一貫して診られることです。透析で他院に通院されている患者さんで治療が必要になった時も大学病院へ紹介することなく当院ですぐ手術を行うことが可能です。この種類の手術は大学病院では通常2週間程度の入院治療が必要になりますが、当院では日帰り手術が受けられること、高い専門性をもった医師が常勤していることで患者さんからは厚い信頼を得ています。

また、一般内科におきましても胃カメラや頚部・心臓・腹部・泌尿器・婦人科・四肢の血管など各種のエコー検査ができることも大変ご好評をいただいています。

このように腎臓内科を専門にしながらも一般内科もカバーできることが地域の皆さまにもご支持頂いている点だと考えています。

編集後記

透析になる前にしっかりと腎臓を管理するということは非常に重要だと感じるとともに、誠実さのある吉田先生の言葉には特に説得力があった。

再生しない臓器である腎臓だからこそ、状態が悪化する前に信頼できる医者に早く診てもらうことが大切だろう。

この度はインタビューをお受けいただき、ありがとうございました。

kanpopo

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