技術を極め患者さんを明るくしたい「表参道スキンクリニック名古屋院 井上義一先生」

2019/01/13
インタビュー

名古屋市の栄駅からすぐの場所にある「表参道スキンクリニック名古屋院」は、内装が白で統一され清潔感のあるクリニックである。患者1人1人に専属のスタッフが付き、安心して施術を受けられることで評判である。

このクリニックの医師である井上義一先生は、複数の病院で医師としての経験を積んで名古屋院へやってきた。現在は医師だけでなく、大学の准教授の肩書も持ち大活躍している。

今回は井上先生に医師としての歩みや今後の展望などをたっぷり語っていただいたので紹介していきたい。

「病気を治すこと」の面白さに惹かれた少年時代

Q1,医師を目指すようになったきっかけについてお聞かせください。

1981年に放送されていたテレビドラマ「加山雄三のブラック・ジャック」を、当時小学生のときに見たのがきっかけです。この作品は大好きでしたが、当時親に隠れて見ていました。そういった思い出も相まって今でも記憶に残る物となっています。物語の中ではありますが、治らないと言われたはずの病気を手術で治すかっこいい姿に憧れると同時に、「病気を治す」ということに面白みを感じたことを覚えています。そのことから、自分も医師を志そうと子供心に思いました。

他にも医者を目指すきっかけとして、プラモデルを作成したりなにかを創り出すクリエイティブなことに興味があったこと、実家でうさぎを飼っていたので生き物全般が好きだったことも後押しになっていると思います。

ですが、家族からは家業を継ぐことを望まれており、最初は医者になることを反対されていました。しかし、姉も歯科医を目指して大学に入学したことに触発され、やはり自分も小さい頃からの夢を叶えたいと強く思いました。その後、必死に家族を説得して医大に入学し、現在に至ります。

Q2,形成外科という医療分野に興味を持った理由についてお聞かせください。

学生時代には形成外科の分野に触れることは殆ど無く、形成外科医とは傷を綺麗に修復する専門家という程度の認識でした。その後、元々ブラック・ジャックに憧れていたこともあり、大学卒業後は滋賀医大の一般外科に研修医として入りました。そこで食道がんや胃がんの手術を学んでいるときにお世話になった先輩が、恵佑会札幌病院で食道がんの研修をして来られた方でした。そのご縁がきっかけで、自分にも恵佑会札幌病院での研修を勧めてくれました。

恵佑会札幌病院は、院長先生の高い技術力でもってして行われる食道がんの手術で有名な病院でした。そのため、個人の病院にも関わらず北海道で食道がんの症例数が最も多い、日本でも有数の病院です。しかしそこで目の当たりにしたのは、その院長先生でさえも自分のオペにある形成外科医の先生を招いていたことです。その形成外科医の技術力の高さに私はさらに驚きました。

院長先生がオペの縫合を依頼していた形成外科医は、蘇春堂病院の野平先生という方で、この方の形成の技術には圧倒されました。野平先生のスマートでプロフェッショナルな姿勢は、自分の技術だけで生きているなと思わされるかっこよさで当時の私にとっては衝撃でした。それが形成外科に興味を持った理由です。野平先生は形成も美容も一流の方で、医者としてこんな道もあるんだなと思いました。

外見と精神のつながりを重視

Q3,形成外科医になって実際に患者様と向き合ってみて初めて気づいたことがあればお聞かせください。

最初の頃は、形成外科は傷を綺麗に治すことや、傷を綺麗に縫うことが重要と考えていました。しかし、経験を積むにつれて、目に見える表面上の変化だけではなく、むしろ患者様の精神的な部分に深く結びつく分野なんだと気付きました。

先天的な疾患や、外傷によって身体の一部が欠損していたり、変形していることで、多くの方が「自分は普通じゃない」ということで悩んでおられます。形成外科ではその苦痛を和らげることも大事な役割だと感じています。

外科と内科を手術の有無で対比するとしたら、手術を伴う形成外科の対比は、手術を行わない皮膚科だとイメージされる方もいらっしゃるかと思いますが、私は形成外科の対比は精神科だと考えています。やはりそれだけ外見の変化というものは精神的な部分に関わることであり、患者様の希望に近づいた仕上がりが実現できれば、患者様の気持ちや表情が明るく変化していくことを臨床経験から感じました。

どんな悩みにも応えられる医者を目指してきた


Q4,井上先生自身、これまでどのような医師を目標に歩んで来られましたか?その過程での意識の変化についても教えてください。

昔はとにかく、誰かに「この病気を治してほしい」や、「この手術をしてほしい」と頼まれたら、どんなことにでも応えられる医者を目指していました。例えば、血管や神経を繋ぐ手術や、まぶたを二重に形成する手術、先天疾患の手術も行い、骨切りを伴う手術もできるといった形成外科医を目標にして進んできました。

現在では、全体的な範囲において基本的なことはできるようになったので、ここからは専門的な分野のレベルをより上げていくことを目標にしています。特に自分の専門である、先天疾患の唇顎口蓋裂の研究には力を入れています。手術にはどうしても限界があるため、最初から唇顎口蓋裂が無かったような仕上がりは難しい部分もありますが、なるべくそれに近づけるように努力しています。

また、唇顎口蓋裂は鼻の変形を伴うことや、手術後の傷跡が目立つことなど、美容分野とも共通した課題があります。見た目の美しさが患者様の精神的なケアに直接影響することから、医療的にも美容的にもハイレベルな技術を習得したいと考えています。

美容大国・韓国から学んだこと

Q5,井上先生にとって恩師がいらっしゃれば、その方との出会いや、その方との関わりの中での意識の変化などについて教えてください。

形成外科の部門ですと、藤田医科大学で出会った吉村先生と奥本先生は恩師にあたり、大変お世話になりました。おかげさまで形成外科は日本で学ぶことができましたが、美容外科はなかなか教わる機会が少なく、友人でもある他の美容外科医と一緒に渡韓をし、韓国の先生方に指導をしていただくことが多かったです。ビーケートンヤンクリニックのホン先生には、骨や鼻のことに関して多くのことを教わりました。

それから、韓国で学んだ技術を日本で実践する場所を探していたときには、現表参道スキンクリニック統括医療部長の中西先生にお願いし、当時開業した美容クリニックで手術を行わせていただくというご縁もありました。また、専門である唇裂の手術の際にまだまだ鼻について美容的に学ぶ必要があると感じ、その時には韓国のザ・プラス美容外科のジョン先生に教えていただいたこもあります。

振り返ると、美容はやはり韓国で学んだことが多いと感じます。20年程前は、韓国の医者が日本に技術を学びに来ていることが多かったのですが、10年程前からはそれが逆転し、日本の医者が韓国に技術を学びにいっています。やはり韓国では美容整形の症例数が圧倒的に多いのが技術発達の理由だと感じます。

形成外科医にしかできないことを武器に

Q6,形成外科領域の医療の課題は何であるとお考えですか?また、その中でどのような形成外科医の存在が必要ですか?

形成外科領域の課題は、形成外科の部門の一部は美容と確立されているのに、それを実際教育する施設が圧倒的に少ないことだと感じます。これは現在、学会でも問題提起されていることです。なぜ美容分野の教育に消極的だったかというと、以前は、美容整形に関してどうしてもお金儲けのイメージがつきまとい、医者が自由診療で医療をビジネス化することへの抵抗が強かったことが原因のひとつだと思います。形成外科領域では美容のセンスも大切な技術の一つですが、公正な教育が行われなかったことで、いい加減な美容外科医が氾濫していることは医学会にとって由々しき問題だと思います。

そういった中で、これからの形成外科医は、形成と美容どちらの技術も習得することが大事なことになってくるのではないでしょうか。元々形成外科分野である先天疾患の手術においても、仕上がりを綺麗にするためには美容的な技術は必要だと感じます。そのことから、形成も美容も両方できる医者というのが、これからますます必要な存在になっていくでしょう。

Q7,今後、形成外科医療はどのような展開を迎えていくとお考えですか?また、そうした中で形成外科医が医師として活躍していくために必要なことは何だと思いますか?

時代の変化とともに医者の働き方も変わりつつあると感じます。研修医制度が変わったことやQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上が重要視される昨今、昔より医者の拘束時間が短くなり、昔の私のようになんでもできる医者を目指して時間と労力を費やすというやり方は、今の時代にはそぐわないのではないかと感じます。

将来的には、分野をより細分化して、あることに特化した専門分野を持った医師が増えていくでしょう。なぜなら、分野を絞ることで、少ない時間と労力でも専門的な知識と技術を習得することができるからです。

今後形成外科医が活躍していくためには、どの分野にも共通することではありますが、他の外科医が行えないような専門的な技術を得たり、開発していくことが重要だと思います。一般の方には想像しづらいことかもしれませんが、形成外科医とは他の科の手術に招かれ、移植した臓器や血管の縫合、乳がん手術の際の乳房再建なども行っています。こうした一般外科ではできない技術を磨くことが、形成外科医として活躍するために必要なことではないでしょうか。

ひたすら上手くなりたい

Q8,医師として喜びや、やり甲斐を感じた瞬間はどんな時ですか?

やはり、手術が終わった後に本人や家族の方が喜んでくれる姿を見るとやりがいを感じます。具体的なエピソードを挙げると、最初はマスクをして来院していた先天疾患のある患者様が、手術後にはマスクを外しているのを見たときや、乳がんで乳房切除した患者様が、再建を行った後に温泉に行ってきたことを報告してくれたときは、こちらも嬉しい気持ちになります。

昔は難しい血管や神経を繋げる手術がうまくできたときや、唇裂の手術を任せてもらえたときに個人的な達成感のような喜びを感じたこともありました。ですが、今はあまりそういう気持ちは無く、大学で医学生の教育・指導を行っているというという立場もあり、ただひたすらもっと上手くなってしくしかないなという感覚です。

現在、専門としている唇裂、骨、鼻といった分野は本当に奥が深く、まだまだ追及していかないといけないと思っています。

Q9,医師としてお仕事をされている中で、心に留めていらっしゃる言葉があればお聞かせください。また、それはなぜかについてもお聞かせいただけると幸いです。

心の中に留めている言葉というわけではないかもしれませんが、若いドクターに指導をするとき、「君は自分の家族を自分に任せることができるのか?」と問うことがあります。もっと詳しく言うと、この用意で、この準備で、自分の家族を自分に手術してほしいと思うのか?、患者様の立場になったときに自分に手術を頼めるかのか?そういったことはいつも考え、指導をしています。もしかしたらそう言われた若い人は、私のことを怖いなと思ってしまうかもしれませんが、手術とはそのくらい念には念を入れて用意周到にして行うものだと思います。

まずは手術法を調べて、血管や筋肉、骨の成り立ちなどを詳細に分析できる能力、手術の流れをプランニングする能力、そしてその後に手技がついてきます。この3つを上手にできる医者が、手術の上手い医者だと私は思っています。長年経験を積むと、これらの準備を頭の中で構築できるようになりますが、若い人は最初のうちは逐一書き出し、分からないことがあればしっかり確認し、手順をきちんと踏まえることが大切だと思います。

また、外科医として忘れないようにしている言葉は「下手くそは罪」です。例え人当りがいかに良かったとしても、生きた人間にメスを入れる立場である以上、外科医として下手くそは罪だと深く感じます。

とにかく患者さんを診て技術を磨く

Q10,今後医師としてどう歩んで行きたいとお考えですか?

やはり一番思うことは、これからも向上心を持って進んでいきたいということです。若い頃は、自分のやりたい手術、やりたいことがあるという気持ちが強かったですが、今は患者様の希望の仕上がりにどれだけ近づけるかが一番重要なことだと思います。例え、自分の中では上手くできたと思っても、患者様の希望から外れていたらそれは全く無意味なことになってしまいます。

そして、患者様の希望になるべく近づけるためには、どんどん技術の研鑽をしていくことが何よりも大切です。まだまだ上手くなりたい、この一言に尽きる思いです。

Q11,医師として大切なことはなんだとお考えですか?

一番基本的なことですが、とにかく患者様を診ることだと思います。

これは実際自分も教えられたことですが、経験が浅ければ浅い医者ほど患者様をたくさん診ることが大切です。なぜなら、データには表れない、実際に患者様に会って確かめることでしか分からない顔色やその時の状態というものがあるからです。データ上に異常のない方でも、実際体に異変を感じていることは診なければわかりません。それは、病状がまだデータには表れていない段階だったり、精神的なことが理由かもしれませんが、いずれどこかで治療していかないといけない可能性もあります。そういった推測を立てられるようになるには、たくさん経験を踏んでいくほかないのです。

今後、ますますAIの発達や実用化が進み、医療の現場の在り方も少しずつ変化していくかもしれませんが、医者が経験値を積むということは今後も変わらず重要なことだと思います。

医療×インターネットについて

Q12,インターネット上には今も間違った医学的な情報が飛び交っていますが、井上先生は 医療メディアの現状についてどのようなご意見をお持ちですか?

実際、その情報が正しいかどうかを見極めるのは難しいと思います。なので、それを見る側がきちんと真偽の判断を下すことが今のところ一番大事なことではないでしょうか。

例えば、性善説に基づいてビフォーアフターの症例写真を出したときに、その画像が本当に事実なのか、実際は修正がされた画像なのか、ということは見ている人の判断になってしまいます。また、莫大な広告費をかけて宣伝されていることやモノを、安直に正しいと思ってしまう人もいるかもしれません。こういったことは正直、それぞれが見極めて気を付けてもらうしかないと思います。

また、不正を防ぐために規制を厳しくすることで、正しい情報まで遮断されることもいかがなものかと思います。まずは、提供する側がきちんと根拠を示した上で、情報を発信することが大事だと思います。それから、発信された情報が正しいか調査する第三者機関がきちんと機能し、いい加減な情報やその提供者は淘汰され、正しい情報が手に入りやすい環境になることが理想だと思います。

Q13,モノの.storeは、症状や病気で悩んでいるユーザーに対して、市販薬の正しい選び方を提供することで見た人の生活を豊かにすることをビジョンとしております。モノの.storeをご覧頂いた感想や思った点を教えてください。

市販薬は、病院には今すぐ行けないが症状を緩和させたいときに、多くの方が利用されたことのあるものだと思います。しかし、いざ薬局に行くと数多くの商品が並んでいて、一体どれが自分に適しているか分からないことも多いかと思われます。モノの.storeでは実際の薬剤師によるコメントが付いていたり、医師が携わった記事も多く見受けられ、急な体調不良のときなど頼りになる内容だと感じました。

表参道スキンクリニック名古屋院の魅力とは

Q14,井上先生の病院のアピールポイントは何ですか?

表参道スキンクリニック名古屋院は、私が准教授を努める藤田医科大学の関連病院であり、教育関連施設に認定されています。そのため、しっかりとした医療の基盤を築けていることが患者様の安心感に繋がると思います。また、統括医療部長である中西先生を筆頭に、美容医療の技術力が高いクリニックであると感じています。

また、当院が力を入れていることのひとつに、先天疾患や乳房再建の治療があります。これまで、日本の医療現場では先天疾患や乳がんそのものの治療に重点が置かれることが多く、手術後の見た目にまで目が行き届かない面がありました。しかし、患者様にとっては疾患や病気の治癒と同じくらい、その後の自身の見た目が大事なことであるのは明白です。そういった考えから、美容クリニックでは珍しいことではありますが、自費診療で先天疾患や乳房再建の美容的な治療も積極的に行っております。当院では、形成外科領域で培ってきた経験を活かし、患者様の希望に近づけるように努力していきたいと思います。

編集後記

「下手くそは罪」という言葉から、井上先生の医療に対する強い意志を感じられた。また精神面の重要性を語る先生からは、患者さんと真摯に向き合う強い信念を持っている様子がうかがえた。

まだまだ日本では形成外科に対する意識が低いように思えるが、今後世間の理解が深まるにつれて、ますます先生の活躍がみられるであろう。

この度はインタビューをお受けいただきありがとうございました。

kanpopo

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